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M&Aノウハウ特集

タクシー会社も売れる?~タクシー会社のM&A最新事情~

タクシー業界の市場規模は、リーマンショック以降減少傾向が続いています。特に中小のタクシー会社では、乗務員の高齢化に伴う人手不足、IT化への対応の遅れ等で様々な問題を抱えている企業が少なくありません。そのような状況の中で、配車アプリサービスを展開する米国Uberの日本進出や自動運転技術の活用に向けた議論の高まり、オリンピック開催を前にした行政の働きかけ等で、タクシー業界自体が大きな変革期を迎えていると考えられます。

【タクシー会社が抱える最大の悩み】

タクシー会社が抱える最大の悩みは、深刻な乗務員不足にあると言えるでしょう。乗務員数がピークであった平成17年(およそ38万人)と比べると10年後にあたる平成27年には、およそ22%減の約30万人にまで落ち込んでしまっています(「一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会」資料より)。さらに全産業の業界平均年齢が42.4歳であるのに対し、男性乗務員の平均年齢が59.4歳と高齢であることも問題に拍車をかけている状況です(「国土交通省」発表資料)。一方で訪日外客数は2011年以降の約622万人から年々増加しており、2016年度には2,400万人を突破しました(「日本政府観光局」発表資料)。この状態が続けば、2020年の東京オリンピック開催時には、さらなる人材不足に見舞われることが予測されます。

【問題解決の手段としてのM&A】

人材の獲得や維持は、タクシー会社の買い手側にとっては大変大きな魅力となるでしょう。タクシー乗務員の高齢化が進む中では、新しい人材の確保が重要な課題となるはずです。タクシー業界は、M&Aによるスケールメリットが得られやすいと考えられています。M&Aで車両や設備、乗務員を一括で獲得し、会社の規模を大きくすることで、「賃金が安定しないのではないか?」、「若い人が行う仕事というイメージがない」などといった応募者のネガティブイメージの払拭にもつながる可能性もなくはありません。売り手の状況によっては、経営的にも営業エリアの拡張といったメリットも見込める可能性も高いといえるでしょう。

【タクシー会社のM&Aのポイント】

タクシー業界は、今後も先行きが明確でない経済情勢や国内人口の減少、配車アプリ等のIT化、介護タクシーやキッズタクシーなどのサービスの多様化、等々、様々な課題を抱えています。但し、こういった現象は大手や中小をも問わない共通課題なのです。それだけにM&Aによる会社や事業の買収は、事業基盤の早期拡大を見込めるため、安定的な事業成長やライバル企業への牽制等に資する有効な経営戦略の一つと考えられるでしょう。