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M&Aノウハウ特集

誰が正解? 事業譲渡の相談相手

事業の譲渡を考えた際、まず家族の理解を得るのが大切というお話は先にした通りです(「まずはコレから!会社に向けてやるべき3つのこと」)。また、税理士やM&Aアドバイザー等の必要な専門家についてもご説明したとおりです(「知らないと損する!? M&A専門家の活用法」)。
そこで今回は、そういった信頼できる経営者の参謀たる人物を、どのようにして見つけるかといったヒントや、逆に相談してはいけない相手とは誰なのかなどを、少し掘り下げて考えていきたいと思います。

【金融機関の活用】

後継者不在という問題は非常に深刻化しており、地域密着型の地方銀行や信用金庫でもセミナーの開催等で、事業譲渡をサポートする試みをするところが増えてきています。なかにはその地域のM&A仲介会社を紹介をも取り持ってくれる場合もあるようです。
地方銀行や信用金庫との長期に亘る取引実績とそれによって築いてきた信頼関係は、経営者にとって大切な人脈のひとつであり、活用しない手はありません。まずは身近な相談相手として挙げてもよいでしょう。
しかしながら、銀行全てがM&Aに精通している訳ではありませんし、会社の経営状況によっては経営者の考えに副うものとならない可能性も否めません。会社の資産状況を把握している顧問税理士の意見を参考にしながら、相談していくのがより良い活用方法といえます。

【M&Aマッチングサイトの活用】

金融機関にはその地域でのネットワークと財務上の支援が期待できます。しかし逆にいえば、その地域に偏りがちになってしまうというマイナス面も存在します。「その地域では社名がすぐにわかってしまう。」、「近隣では買ってくれそうな会社が見つけにくい。」そういった悩みを解決できるのが、所謂「M&Aマッチングサイト」の存在です。
「M&Aマッチングサイト」ではウェブサイトという特性を活かし、金融機関や税理士以上に広いネットワークで(場合によっては、日本全国から)買い手企業を募ることが可能になります。大抵の場合は具体的な交渉段階まで匿名での案件掲載が可能となりますし、想像以上に安心して取り組むことができるでしょう。

【相談してはいけない相手】

事業譲渡は、その内容の性質上、話をするべき相手とタイミングについて特別の配慮が必要となるものです。交渉の段階で噂だけが広まってしまうと、あらぬ憶測や誤解を招いたり、従業員に不安が蔓延り会社から離反してしまったりと、M&Aの成否に関わる事態を招きかねません。
事業譲渡を考えた最初の段階で家族の理解を得ることは肝心ですが、配偶者や家族が役員や社員である場合、家族以外の社員に情報が伝わらないようしっかりと管理しなければなりません。
もちろん最終的には、事業譲渡をする旨を株主ならびに債権者、役員や従業員らに告知し同意を得なければならないので、きちんと発表ができる体制が整うまでは、ご家族と社外のアドバイザーのみを相談相手とし、必要に応じて担当役員を加える程度に留めるのが適した方法といえるでしょう。