M&A BASICS

M&Aとは

価格の決め方

会社の価格はこう決まる②~類似業種比準方式とは~

会社や事業の売買価額の決め方に、「コストアプローチ」と「マーケットアプローチ」、「インカムアプローチ」の3種の考え方があるというお話しをしました。そこで今回は類似業者の株価や売買実績を参考にして市場価値の推測を行う「マーケットアプローチ」で頻繁に用いられる「類似業種比準方式」とスモールM&Aにおけるその活用方法についてお話をしていきたいと思います。

【類似業種比準価額方式とは】

企業価値評価の方法の一つで、まずM&Aの対象となる会社や事業と類似していると思われる会社や事業が、実際にどのくらいの価額で取引されているのかを参考にして基準を決めます。その基準を元に対象会社(事業)の実情を鑑みて加算もしくは減算していく方式を「類似業種比準方式」といいます。多くのM&Aの企業価値評価に取り入れられている的メジャーな方式です。
但し、価額決定の基準となる類似会社(事業)の取引実績が少ない場合は、対象会社(事業)と同業種の市場評価を参考にするのが一般的となります。 つまりその同業種の株式市場での取引価額と、M&Aで実際に売買された価額との双方を考慮しながら基準を決めることとなります。資産価値ではなく実勢価額を重視するというのが、「類似業種比準方式」という考え方です。

【類似業種比準方式のメリットとデメリット】

以上のことから、「類似業種比準方式」のメリットは、その客観性にあるといえるでしょう。実際の取引価額を参考にして売買価額を決定するため、売り手にとっても買い手にとっても価額に対する納得度が高くなるのです。
しかしながら、この方式をスモールM&Aに適用しようとした場合、価額設定の基準となるはずの類似会社や類似業種の取引実績を探すことが困難となるケースが考えられます。先に述べたとおり、類似会社(事業)の取引実例を集めるのが困難な場合は、対象会社(事業)と同業種の市場評価を参考にするのですが、上場企業との比較になってしまうので、当然ながら限界もあります。
豊富な実績例がある場合は有効な客観性を提示してくれる「類似業種比準方式」ですが、逆に実績例が少ない場合は根拠の乏しい結果になってしまいかねません。これが「類似業種比準方式」のデメリットです。どの取引実績を類似会社(事業)のそれとするか、慎重に設定する必要があるでしょう。

【スモールM&Aにおける類似業種比準方式】

「類似業種比準方式」は、多くのM&Aで扱われている方式だけに、自ずとこの方式で価額が決定するケースも多いといえます。しかし、ことスモールM&Aに限っては、先述のデメリットも踏まえて、「類似業種比準方式」のみでなく「純資産価額方式」との双方で算定してみたうえで、それぞれの要素を加味して決定することが望ましいと考えられます。