M&A BASICS

M&Aとは

M&Aの流れ

M&Aの費用っていくら?~売り手と買い手の諸経費について~

M&Aに必要な経費には一体どのようなものがあり、それぞれにどれくらいの金額が必要になってくるのでしょう? もちろん、その費用は売り手側と買い手側によって大きく異なります。そこで今回は、売り手側と買い手側にわけて、M&Aに際して必要となる経費についてお話をしていこうと思います。M&Aでは、交渉内容や条件により様々なケースが考えられます。あくまで一般論として、ご理解ください。

【売り手の必要経費】

M&Aに際して、売り手の必要な費用は、大きく分けて税金とM&Aアドバイザーへの報酬の2種類と考えられます。場合によっては企業の調査書を作成したり、事前に自社で簡易デューデリジェンス(買収監査、DD)を行うケースもありますが、それほど大きな金額にはならないと思われます。
各種課税額に関しては、M&Aの手法(スキーム)により大きく変わってくるので一概には言えませんが、株式譲渡という手法を選択した場合ですと、株式譲渡益(株式の売却価額-株式の取得費)に対して20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。課税されるのは、その株式を売却した株主に対してであり、売り手の会社に税金はかかりません(税率その他は2018年時点)。
M&Aアドバイザーに支払う報酬は、仲介会社や実際の売却価額によってまちまちですが、スモールM&Aの場合は概ね売却価額の10%前後と考えて差し支えないでしょう。

【買い手の必要経費】

M&Aに際して、買い手の必要な経費は、対象企業の買収価額とデューデリジェンスにかかる費用、M&Aアドバイザーへの報酬、そして税金となります。このなかの買収価額は様々な条件を十分に検討して、売り手側と交渉、合意しなければならないものなので、今回、必要経費からは除外して考えることにします。
先に述べた経費のなかで最も高額になるのは、デューデリジェンスにかかる費用かもしれません。あくまで概算でしかありませんが、スモールM&Aの場合でも、おおよそ50万円~300万円程度は必要と考えておくべきでしょう。この金額の開きは、各種デューデリジェンスの実施の取捨選択と、実施するデューデリジェンスの内容の程度によるものです。デューデリジェンスの費用は、M&Aの成立、決裂に関わらず発生するものですので、どのデューデリジェンスをどの程度実施するのかを十分に検討する必要があります。
M&Aアドバイザーに対しての報酬は、売り手側とほぼ同様で買収価額の10%枠内と考えておいていただければ問題ないでしょう。
最後に税金の問題となりますが、買収する企業が、黒字なのか赤字なのかによっても大きく異なってきますし、一概にはお話するのは困難です。状況に応じて税理士等とよく相談のうえ対応していただくことをお勧めします。
さらに買い手側の立場で考えると、M&Aの取引後にも買収した企業の借入金の返済やのれん代の償却負担等も留意しておく必要があります。さらには、買収した企業に新たに人員を配置する場合はその人件費、システム等のインフラの統合が必要な場合はその費用、キャッシュフローがマイナスだった企業を買収した場合には当面の資金の準備等、ケースによっては想定外の経費が生じることも考えられます。ある程度余裕をもった資金準備をしておく必要があるといえるでしょう。