M&A TIPS

M&Aノウハウ特集

知らないと損をする!? M&A専門家の活用法

極論を申し上げれば、M&Aの取引そのものを進めるだけならば売り手と買い手がいれば十分で、とりたてて専門家は必要ないと言えるかもしれません。必要経費も登記にかかる実費のみとなります。しかしながら実際に一切の専門家の力を借りずにM&Aを進めた場合、売り手・買い手のどちらか、又は双方が予測しえなかったリスクを全て引き受けかねないため、あまり現実的な方法ではありません。専門家にかかるコストは決して安いものではありませんが、M&Aから生じる可能性のあるリスクはそれ以上に大きくなる恐れがあります。リスクを回避のためにはある程度のコストはかけざるをえないという観点から、ここでは一般的なお話として進めていきたいと思います。


M&Aに必要な専門家は大きくわけて3職種と考えられます。財務面での監査を行う税理士。法務面での監査を行う弁護士。そして取引を調整しまとめあげるM&Aアドバイザーの3つです。

【税理士の役割】

税理士はM&Aに際し財務面での買収監査を通して、対象会社の財務状況を分析します。同時に、現在のキャッシュフローから将来のそれを予測し、対象会社の成長性を判断することも役割の一つです。税理士が行う買収監査の結果は、取引価額に直接大きな影響を及ぼすので、とても重要な役割と言えるでしょう。

【弁護士の役割】

M&Aでは、書面による契約書の内容だけが譲渡対象となるわけではなく、業界の慣習や書面上には残していなくとも取引中に合意があったと見なされるものなど全てのものが含まれます。これら全てを取引の成立前に精査し、買収側の不利益にならないかを確認する必要があります。その作業を行うのが、弁護士の役割です。その他多岐にわたる法律上のチェック項目に目を光らせ、リスクを洗いだすのも責務の一つです。

【M&Aアドバイザーの役割】

M&Aの取引全体を調整しつつサポートしていくのがM&Aアドバイザーの役割です。M&Aの検討段階からクライアントと接し、要望をヒアリングするなど、経営者の一番近い所にいる補佐官のような存在といえるでしょう。時には利害が対立する両者の仲介役を務めたりと、取引成立のため、税理士や弁護士とはまた違った観点から経営者をサポートします。


その他にも、労務面に問題が潜んでいる可能性がある場合には社会保険労務士、土地や建物の資産鑑定が必要な場合には不動産鑑定士、登記に確認が必要な場合には司法書士の支援も依頼しなければならないかもしれません。


では、税理士や弁護士への高額な報酬を支払うには取引規模が小さなスモールM&Aの場合には、どうすればいいのでしょう。
もしそういったケースであれば、まず最初にM&Aアドバイザーに相談し、取引のスキームを決定するのがベストでしょう。M&Aアドバイザーは様々なケースの取引を経験しています。その経験上、スモールM&Aの取引で潜在しているかもしれないリスクについてある程度見当をつけることが可能ですし、それに応じて必要な監査対象を選択し、手配することで費用を抑えることもできるからです。M&Aアドバイザーは、現実レベルで売り手と買い手の両当事者それぞれの要望を満たすために、最適な落とし所を設定することが、もっとも重要な役割なのです。