M&A BASICS

M&Aとは

M&Aの定義

実は知らない。誰もができる「M&A」

「M&A」というと、『なんだか難しそう』、『本を読んでも専門用語が多くてよく解らない』、『大企業のもので我々中小企業には関係ない』といったイメージを抱いている方が多いと思います。しかし、こと中小企業のM&A(=スモールM&A)に限っていうと、決して難しいものではなく、語弊を恐れず極論をいうなら物販やオークションに近い感覚で行っていただけるものなのです。今回は中小企業にとって「M&A」が、いかに身近なものかという点についてお話していきたいと思います。

【M&Aってなに?】

「M&A」は、会社の合併(merger:マージャー)と買収(acquisition:アクイジション)を組み合わせた用語で、ビジネス売買の総称として広義に使用されています。ビジネス売買の対象は様々で、法人はもちろんのこと、病院や調剤薬局、またネイルサロンや学習塾、飲食店といった個人経営のものにまで裾野は広がっています。同様に黒字であるとか赤字であるといった経営状況にも隔てなく取引されているのが現状です。『赤字の会社が、本当に売れるの?』といったご質問が挙がってきそうですが、例えば新規事業に取り組もうとしている買い手にとっては、その分野の経験があり即戦力となり得る人材や、設備、ノウハウといったものは非常に価値があるものといえるでしょう。ですから、経営状態が赤字であったとしても、買い手にとっては魅力のあるものに映るのです。
以上のように、中小企業における「M&A」というのは、他社との協業を通じた、さらなる発展のための一経営戦略なのです。

【M&Aってどうやるの?】

会社をつくったり、運営したりする際のルールを定めた「会社法」では、「M&A」の手法(スキーム)として、合併、株式交換、株式移転、会社分割、等といった方法が色々と事細かく定められています。しかし、中小企業の「M&A」のほとんどは「株式譲渡」という、いわば「会社をまるごと売る」手法で行われているので、基本「株式譲渡」という手法(スキーム)さえ修得すればその他の様々な手法(スキーム)に囚われる必要はあまりありません。また「乗っ取り」といった言葉に代表される敵対的買収というものは、対象企業の同意を得ずに証券市場で株式を買い占める行為を指しますが、上場していない中小企業では株式が市場に出回るということがないので、そういった心配は全くないといってよいでしょう。

【中小企業のM&Aが増えている理由】

1990年代後半以降、年々中小企業の「M&A」が増加しています。ではなぜ「M&A」が増加しているのでしょう? その理由のひとつに「経営者の高齢化に伴う後継者問題」が挙げられます。経営者が高齢になり引退を考えた時に、後を継がせる親族や社員がいない場合、会社をたたむという選択をとらずに「M&A」を選択する方が増えています。
「M&A」という方法をとれば、働いている従業員を路頭に迷わせることもなく、取引先にも迷惑をかけずに引退することが可能です。会社をたたむにも費用がかかります。しかし「M&A」で売却をすれば売却分の利益が出ます。そうした理由から「M&A」を選択する方が増えているのです。

【中小企業のM&Aは売り手市場】

いまや『会社を買いたい』経営者が、『会社を売りたい』経営者以上に増えてきているのが現状です。新規の業務や新たな商圏に進出する場合、自ら会社を設立することも少なくありませんが、「M&A」を用いれば、時間を大幅に短縮することができるからなのです。
また、事業の再構築の結果、不必要となった会社や事業部門を売却したり、他社を買収することで自社の主力事業を強化したいといった場合にも、「M&A」は効果的です。企業価値の向上や劣化防止に「M&A」が一役かっているのも増加の理由といえるでしょう。

【M&Aは会社同士の結婚のようなもの】

「M&A」はよく「結婚」に例えられます。「M&A」のプロセスは、まさに相手を探し、アプローチし、お付き合いを経て結婚し、幸せな新婚生活を営むまでのプロセスとそっくりなのです。そのためには「結婚」になにを求めるかを明確にしておく必要があります。
例えば女性の側にたって考えてみますと、結婚に経済的安定を求めるのか、結婚後もバリバリ働くことを前提に家事や育児の分担といった協力関係を求めるのかによって、結婚相手に求める条件は大きく異なってくるのが当然です。
それと同様、「M&A」の目的によって、対象企業に求める条件が大きく変わってきます。「今後の人生プラン」を改めて考えるが如く、「M&A」の目的を明確にすることがその成功に不可欠な要素なのです。条件が細か過ぎると理想が高くなるばかりなので、「これだけは譲れない」という条件をピックアップすると良いでしょう。